離婚調停の流れ

家事調停前置主義

家庭関係事件のうち、離婚、婚姻の取消し、子の認知などのいわゆる人事訴訟事件について、訴えの提起に先立ち、原則として、まず、家庭裁判所に家事調停の申立てをし、調停によって紛争の解決を図るべきものとされています。これを家事調停前置主義といいます。
家事調停が不成立に終わり、改めて訴訟によって解決しようとする場合は、家庭裁判所に訴えを提起します。

家事調停制度の趣旨:
家事に関する紛争については、それが紛争である以上、権利義務関係を適正に判断する必要があるものの、家族に関する紛争は、通常、長期間にわたっれ形成されたものであり、当面の課題が解決されたとしても、背後に感情的な対立があり、しかも、家族関係の紛争の性質上、これを他人に知られたくないという面があることから、これに合致するものとして、家事調停制度が設けられました。

家事調停の担当者:
1 調停委員会
調停委員会は、1人の裁判官及び2人以上の家事調停委員をもって組織されます。

2 家事事件を担当する裁判官
従前は、家事審判官と呼んでいましたが、現在は、単に「裁判官」と呼ばれます。

3 家事調停委員
家事調停を担っている調停委員は、民間人から任命される非常勤の裁判所職員です。
家事調停委員は、弁護士となる資格を有する者、家事に関する紛争の解決に有益な専門的知識を有する者、又は社会生活のうえで豊富な知識を有する者で、人格見識の高い原則として年齢40年以上70年未満の者の中から、最高裁判所によって任命されます。

(以上につき、離婚調停・離婚訴訟【改訂版】第一章・青林書院参照)

離婚調停の進行

1 調停の開始
離婚調停は、当事者の申立てによって開始します。申立ては、書面で行う必要があります。
※東京家庭裁判所の申立て書式は、ホームページに掲載されています。

2 調停の実施
調停の進行は、裁判官1名と家事調停委員2名以上の合議体である調停委員会により行われます。
※裁判官は同時に多数の調停事件を開催しているため、手続に全て参加することは少なく、実際は、家事調停委員2名が中心となって聴き取り、調整が行われます。
その報告は、家事調停委員から裁判官へなされ、必要に応じて、裁判官が同席します。

3 調停における事実の調査
事実の調査の方式に制限はありませんが、強制力を用いることができないため、効果は限定的です。
したがって、必要な資料は積極的に収集する必要があります。

4 調停手続の終了
①取下げ
家事調停の申立ては、調停事件が終了するまでの間、係属中、全部又は一部を取り下げることができます。

②調停成立
当事者の間に合意が成立し、その合意が調書に記載されることで成立します。

③調停の不成立
調停委員会は、当事者間に合意の成立する見込みがない場合、又は成立した合意が相当でないと認める場合において、家庭裁判所が調停に代わる審判をしない場合に、調停は成立しないとして事件は終了します。

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